示談と裁判の違い

交通事故の損害賠償の解決の仕方としては、示談によるものと裁判によるものの2種類が考えられます。この二つについて違いを適切に把握することは、被害者自身がいざ損害賠償請求をする際の助けになります。

まず、示談とは、交通事故当事者同士の話し合いの結果、お互いが納得する内容で合意をすることを言います。

交通事故が発生した場合、被害者としてはどれくらいの金額を支払ってほしいか、加害者としてはどれほどの金額であれば支払えるかという双方の利害が発生します。この双方の利害を調整して、お互いが納得できる損害賠償額について合意をすれば、示談は成立します。

もっとも、単に示談を行っただけでは単なる口約束に過ぎません。そのため、示談が成立した場合は、その示談内容について記載した示談書を作成する必要があります。これにより、明確な拘束が当事者の間に生まれることとなります。

示談は、当事者の話し合いで成立するため迅速に損害賠償額を定めることができることが多く、裁判に比べて簡単なため、時間と手間の節約をすることができます。しかし、示談はあくまで契約的な拘束しか生まないため、示談内容に従った義務を加害者が履行しない場合は、裁判を通じて損害賠償を請求する必要があります。

加害者に任意保険会社がある場合は、示談が成立すれば、通常一ヶ月程度で支払ってくれます。

次に、裁判は裁判所という公的機関を通じて損害賠償を請求するものとなります。

裁判を通じて損害賠償を行うためには、基本的には弁護士に依頼して行う必要があるため、弁護士費用という支出が発生します。また、裁判は交通事故当事者で争いがある場合は長期化する可能性もあり、場合によっては年単位で継続する可能性もあります。

もっとも、損害賠償を勝ち取った場合は、たとえ加害者が支払いを拒否したとしても強制執行により強制的に損害賠償金を回収することができます。加害者に任意保険がある場合には、判決が出たら、その金額を任意に支払ってくれます。そのため、一旦勝訴すれば、加害者に損害賠償に応じられるだけの資力さえあれば支払いをさせることができるという点で、示談の場合より確実性があります。

加害者と被害者が真っ向から争っている場合は、示談の成立可能性が低いため、早々に裁判へ進めるべきとも言えます。他方、当事者同士の間で交渉余地があるのであれば、示談による早期解決を目指すことも、時間や損害賠償金などを総合した上での被害者の利益を考えると、有効な手段とも言えます。